Xガイル戦は20年以上を経てなお結論の出ない好カードとされますが、私は(実際には負けが多いにも関わらず)Xリュウがはっきり良しとなるのではないかと踏んでいます。
(1)校長キック間合い
校長キック間合いは、リュウが立っていればガイルの中足払いがスカる距離。もっと遠くでも出来ますが、そんなところでガイルが中足払いを出す大きな理由がないので。
ここから少し踏み込んで大足払い小波動を狙うリュウに対して、ガイルはリュウの前進を知ってから中足払いを先に当てるのが困難と思われます。
かと言ってスカり前提で牽制として中足払いをするのは校長キックの的となり起き攻めに繋がるのでリスクとリターンがややおかしくなっています。
ソニックを撃つのはアリですが、リュウが踏み込んで来ていたら大足払いを一方的に刺されたり相打ちだったり。
リュウが踏み込んで来たなら中足払いヒット/その場にいるならソニックをガードさせる、という択が任意フレーム始動にて一応成立はします。しかしどちらの選択もガイルはハズレ時に起き攻めを受けることになり、好んで行う駆け引きではないでしょう。
ただしガイルには前ソバットがあり、校長キック待ちも前進足払いも潰すことが出来ます。逃げソバットは距離をあけてソニックを撃つかどうかの駆け引きに持っていけます。
しかし遠めの前ソバットは(立ち大キックのスタブを含め)ピク見昇竜で刈られます。逃げソバット≫ソニックは、逃げソバット待ちをしているリュウには弾を撃たれます。また、ソニックを読まれたらタイミングドンピシャの先出し大竜巻を食らうし、リュウが前進をしていたら後出し竜巻も食らいます(ソニックを確認して竜巻を入力とは言わないまでも)。
リュウ側がガイルの行動に後出しで対抗するには、それぞれピンポイントの読みが要るような形になっていますが、しかし逃げソバット≫様子見以外の行動ではガイルがハズレを引いた際に起き攻めまでセットで受けることになります。
ガイルが歩いて下がるケースには、弾を撃つか追います。歩いて追うとすぐの波動を撃てなくなるので、ソニックには竜巻をぶつける方針になります。
(2)リュウの歩き縛り15フレーム
リュウはガード硬直解除後に15フレームの「歩き縛り」を受けます。技を出したりジャンプしたりは可能ですが、歩くことだけ出来ない時間です。
よって例えば小ソニックをガードして連続で中足払いをガードさせられた際などに、校長キック間合いまでなかなか行けません。
かつ、ここでの波動は先読みジャンプをされてピヨるのでリスキー。
まあ撃てると思ったら撃てばいいですが、背後にスペースがあればバックジャンプ≫着地直前空中竜巻でゲージ溜めをするのを1つの選択として考えておきましょう。
(3)リュウの飛び込み
リュウがソニックを先読みで飛び込んで下降中に大パンチを出し、4〜5フレーム目まで出してからキャンセル空中竜巻、という「案」があります。
ガイルがしゃがみ大パンチでの対空を選んだ際に、空中竜巻で相打ちを取る狙いです。リュウも吹っ飛ばされて距離は大きくあきますが、ガイルはダウンしてしまうため、ソニック押しのガイルタイムが終了してしまいます。
空中大竜巻よりもガイルのしゃがみ大パンチの方が僅かに与ダメージが大きいです。しかしすぐに波動で削り返せるのでダメージ互角というところです。
ちなみに空中竜巻の前に大パンチを出すのは、下降中の食らい判定をなるべく小さくしようという考えです。大パンチを出すと、1フレーム目から食らい判定の下半が消えます(もしかしたら空ジャンプでも食らい判定は小さいかも)。
空中竜巻自体も下方の食らい判定を小さくするので(大パンチほどではない)、もしかしたら早めに空中竜巻を出し始めて2回目の前方蹴りを当てるプランもいいかも知れません。
また、距離も重要です。ガイルのしゃがみ大パンチは上体を前に出すため、近すぎると空中竜巻の攻撃判定がスカされてしまうかも知れない(未検証)。
(4)リュウからの起き攻め
対空昇竜で落としたりソニックにカウンター竜巻を当てた後などは、主に2つの攻めがあります。
a. 裏抜け竜巻的ジャンプ
ジャンプして正面中キックか裏抜け竜巻。
裏抜け竜巻は位置を入れ替えたい時に使います。
裏抜けた場合、起き上がりサマーはそっぽにスカすことになります(裏抜け竜巻のページも参照)。スカしたら歩いて背後から大ゴス。ダブルサマーもそっぽに出て、これは空中竜巻の着地の隙で1発だけ食らいますが、食らってすぐ歩いて追いかければ同じく大ゴス。
ただし対春麗と同じ懸念がここにもあります。空中竜巻を見てウラしゃがみガードをするガイルには、いくらかの確率で空中竜巻がスカってしまうかも知れないのです。スカらなくてもしゃがんだままガード出来るのが空中竜巻なので、裏抜け竜巻はもしかしたらリュウにとって損な行動かも知れません。
正面中キックをガードされた場合、ほんの少し歩き投げとその場大ゴスの択が出来ます。ただ、ガイル側が「投げを食らって投げ抜ければ良し」のポリシーを持っていると、リュウややつまらないと言えばつまらない。
b. 低めくり的ジャンプ
ガイルに対しても低めくり的アプローチが出来ます。ただし起き上がりモーション中の存在判定が高いため、近めから飛び込んでジャンプのかなり高い位置で分岐をすることになります(実際にやってみて体得のこと)。
ガイルに対しては大キックを用います。中キックより下方に攻撃判定があります。
注意点ですが、ガイル側をガード方向で困らせるような絶妙な位置/タイミングで飛び込めたなら、リュウ側も困ったりします。つまり起き上がりサマーのガード方向がわかりにくい。高め分岐の低め当てなので、リュウがウラに回った場合に毎度起き上がりウラ向きサマーが出るかも知れないのです(追記:本当に絶妙な距離/タイミングで行えばそっぽサマーになるもよう)。
しかし、ガイル側が起き上がり瞬間にガード方向を決めなければならないのに対してリュウ側はサマーがヒットするまでに決めればよいので、5フレーム長い猶予があります。分岐に集中してリュウ側はきっちりガードしましょう。無理なら、→↓↘︎小P離しを着地タイミングに忍ばせます。オモテ着地だと小昇竜で、ウラ着地だとガードになります。
→↓↘︎↙︎小Pの「オモテでもウラでも着地小昇竜」はガイル戦ではやりにくいです。ガイルの起き上がりの存在判定が高い(すなわちウラオモテの分岐が早い)ため。分岐前に→を済ませると早すぎることになりやすい。→←↓↘︎↙︎小Pと入力すればいつ左右逆転しても昇竜が出るには出ます。しかし→から↓まで6フレームしか猶予がないため忙しい。
オモテかウラかわからないまま着地で決めうちガードもすごく悪くはないです。サマーをガードした時のリターンが大きいので。
(5)ソニックへのカウンター竜巻
竜巻の前方攻撃判定は12フレーム毎に出る(3フレーム継続)と憶えておきましょう。
対してソニックの総時間は30フレーム。
竜巻2周目を当てるなら、リュウの後出しでも間に合います(ピク見でも困難なので読みで出すことになりますが)。
竜巻3周目を当てるのは、竜巻開始より後にガイルがソニックを入力する必要があります。しかしソニックを入力しようとする人間プレイヤーが竜巻の開始モーションを見て確実に中止することは不可能レベルです。6フレームで識別対応をしなければならないので。
もちろん、ガイル側がソニックを入力する6〜10フレーム前ぐらい(?)にピンポイントで竜巻を出さないと気付かれてしまうため、リュウ側もあまり気軽に狙うものではないでしょう。
(6)小竜巻でごまかしは基本NG
ガイルの中足払い間合いに踏み込んで行って、ソニックに小竜巻。これは読みが出来ていれば(ヒットしてリターンも大きいので)アリです。
しかし小ソニックを追って来るガイルに対して小竜巻でソニックを越えて着地で云々という「ごまかし」はNGです。リュウ戦に慣れているガイルは全て落とすか着地でリュウがガード以外出来ないように技を重ねて来ると思いましょう。
中間距離にてソニックを見てから小竜巻で越えてごまかすぐらいなら、先読みで中や大の竜巻を出すべきです。
また、ある程度以上の遠距離でも、小竜巻でゲージ溜めなどはソニックに乗っかってしまうことのないよう注意が必要です。ガイル側がそのソニックをレバー先溜め撃ちしていたなら、すぐに小ソニックを撃ち直して暗黒攻めを迫れます。
(7)ガイルからの起き攻め
ガイルのめくり小キックは、高めに重ねて来るならイサムまたはしゃがみスカし投げ。低めくり的に来るならよく見てガードするか起き上がり大竜巻でごまかすなどします。
めくり小キックガード後または着地小攻撃をガード後は、昇竜での切り返しはやめましょう。昇竜より投げを使うべきです。ガイルは投げに保険小サマーを忍ばせて来るので。
(8)ガイルの遠距離飛び込み
端々近くから波動の構えを見てすぐガイルが前ジャンプして来た場合。
昇竜は空ジャンプにスカされ、大足払いは大キックに頭を蹴られ、というジャンケンになりそうですが、リュウはしゃがみ中パンチが強いです。
大足払い先端当ての距離では、ガイルの大キックにも中キックにも当たり勝ちします。ガイルがその他の行動を取って着地した場合にもリュウのしゃがみ中パンチの引っ込みに技を差し込む(食らわせる)ことは出来ません。ガイルの中足払い間合いで仕切り直しとなりますが、つまり遠距離ジャンプをするガイルは負け or
仕切り直しです。
ガイルの空ジャンプ着地を予想したなら、もちろんそれが強い予想であるなら着地点に大足払いを置くのですが、不安な場合は「食らわせない大足払い」が有効です。
大足払い間合いに行ってすぐしゃがむ≫ガイルの着地寸前に一瞬だけ立ちガード≫大足払い波動。
(9)ソニックガード後(2020.4.28追記)
小ソニックをガードすると、追いかけて来たガイルに択を迫られます。
スト2の択は「投げ or 割り込み技を出させてお仕置き」が基本形ですが、その観点の動きでここしばらくよく見る「腕無敵のしゃがみ小パンチ先端当て」について考えておきましょう。もちろん択を迫るのが目的なので、ガイルはソニックからしゃがみ小パンチを連続ガードにならないようにします。
おそらく、立っているリュウにガイルのしゃがみ小パンチのかなり先端が当たる距離なら、昇竜はスカるでしょう。竜巻も意味がなく、よってこの距離で出されればリュウにはソニックのガード硬直後の積極策がありません(真空波動は有効)。かといって毎度ガードで待っていれば投げを食らう。
まあここで一番の答えは「早くゲージを溜めましょう」なわけですが、それを抜きにして考えてみます。
c. 中パンチ投げを入力
中パンチボタンの投げをします。投げ入力での対抗は、もしガイルが投げを狙ってきたなら投げ勝負なのは当然として、もしガイルがしゃがみ小パンチならリュウは立ち食らいをしてあげるというのを狙いとしています。リュウはガード硬直後の歩けない時間がダントツに長いキャラですが、食らい硬直の後は他キャラと同じくすぐ歩けます。リュウが割と近い距離ですぐ前進の出来る態勢であるというのは一応有効なカードであって、これをしゃがみ小パンチ1発のダメージと引き換えにしてよいかどうかです。
ちなみにガイルのしゃがみ小パンチを「立っているリュウには届かない距離」で出された場合も、立ち中パンチを出せば出がかりの出張判定で立ち食らいします。大パンチだと出張判定の発生が遅く、またガイルが様子見だった場合に空振りモーションが大きすぎる。なので中パンチ投げを選びました。
すごく当たり前の注意点。ガイルがしゃがみ小パンチに代えて中や大の足払いを選択した場合、リュウはわざわざ立ち技を出して自ら大きなダメージを貰いに行くことになります。
【参考】
しゃがみ小パンチの伸びきり1フレーム目を食らうまたはガードした場合、ガイルが4フレーム先に自由を得ます。細部未検証ですが、しゃがみ小パンチから中足払いをガイルが最速で出した時、おそらくリュウは足払いで割り込むことが出来ません(最速で相打ちタイミングなのかな?ならリュウ良しだけど、どうでしょう)。ただしリュウには昇竜拳があり、ガイルには溜めがありません。
しゃがみ小パンチが「立っているリュウに届かない」場合に、運良く無傷で切り返す手段があるかどうかも考えます。ガイル側の距離の微調整はやや難しいかも知れなくて、この「立っているリュウに届かない」ケースは割と起こると思われます。
d. 波動(ファイヤー波動)
波動拳の出がかりは3フレームと憶えて下さい。これだけ言うと嘘になりますが、出がかりの1~8フレーム目は単なる立ちポーズと同じ食らい判定で、ここから前にせり出すのが3フレーム間。立っていればスカせる打撃に対して問題になるのがラスト3フレームということです。
対してガイルのしゃがみ小パンチの引っ込みは5フレーム。うまくタイミングが合えば引っ込み刺しで入ります。
ガイルが良いタイミングで2発目の小パンチを入力していたなら波動拳のせり出しポーズを叩かれますが、連打キャンセルで出した小パンチは通常より1フレーム遅く、連打にもリュウ側のタイミング次第で波動拳の割り込み一方勝ちになり得ます(この場合リュウ側は2発目の後に割り込むつもりの遅めで撃つ)。
ガイル側もリュウ側も、予測でタイミングを取るジャンケンです。
ガイルが小パンチ連打を行った場合、波動の勝ち率は低いです。ただ、リュウが負けても立ち食らいをする事と、ファイヤー波動で勝った(or 相打ちを取った)場合にリターンが大きいのとで、やってみるのはアリと思われます。
e. 一瞬立ってから足払い
リュウの足払いは出がかり3フレーム。なので波動と同じ理屈です(たーさんが調査で協力してくれました ^o^)。
このケースでも、ガイルが小パンチに代えて足払いをしていたらわざわざ食らいに行く形になります。
ただし、いずれにせよ相手は歩いて来て溜めのないガイルです。これを予測しての小昇竜も酷く悪くはないはずです。
(10)ゲージ溜め
リュウは小ソニックを追うガイルに対してバックジャンプ≫着地直前空中竜巻を(壁を背負うまで)何度も出来ます。
もしソニックを5回ガードするまでにゲージを溜めることが出来るなら(もしも話)、リュウは次のソニックに真空波動を合わせて5発削り返し+波動削りで取り返せてしまう。距離やタイミングがよければ食らわせて大きくリードしてしまうし。
そうでなくとも、ゲージがあればガイルもお気楽に動けない。ここがこのカードの肝かなと思っています。
もし真空波動を食らわせたら、いかに溜め直すかを考えるのがよいのでは。