ストII'〜ストII'ターボ時代にザンギ使いであった私は「Xリュウに対してXザンギ有利」を割と遠慮なく言って来ました。自分は全く使わないのですが。
(1)Xザンギならではの不利点
他バージョンのザンギに劣る点を最初に記しておきます。
階段上りの法則の項で述べた通り、ザンギは歩いて下がってすぐ微前進スクリューというものを出しにくいです。下がる操作を終えてから微前進スクリュー入力開始までがある程度より短時間だと、スクリューコマンドが認識されない。
普通はスクリューがバックジャンプに化けるだろうし、スクリューを通常技出がかりキャンセルで入力していたなら、その通常技が伸びきります(失敗ポーズにもならない)。
バックジャンプや小パンチ空振りで済むならピンチでもないですが、Xザンギの場合、バニシングが出てしまいます。
普段は微前進スクリューというものをあまりしないので気にならないことです。しかし対リュウだとスクリュー間合いのやや外でやりとりすることが多いので微前進には注意しておきましょう。
それでも対策はあって、微前進してから斜めを通らずいきなり真下へレバーを入れることが出来ればバニシング暴発は防げます。
ちなみに、前に歩いてスクリューというもの自体も「数分の1の確率で出ない」というのがスト2のシステムです。
前に歩くためのレバー前が、数分の1の確率で「スクリューレバー入力開始方向」と見なされないそうです。右に歩いて時計回りにレバーを回したとすれば、レバー真下で初めてスクリュー入力開始とみなされる場合がある(おそらくこの時バニシングも出ない)。
歩きスクリューは、必ず完全に1周させて元の歩き方向までレバーを持ってくるようにしましょう。そうすれば必ずスクリューになります。
なお「前に歩く」が7フレーム以下の短時間であれば、ちゃんと毎回このレバー前がスクリュー入力開始とみなされるようです。
(2)ザンギの立ち中キック
Xザンギ vs リュウの肝となるのがザンギの立ち中キック。リュウの大足払いよりもリーチがあり、かつ出も遅くなく引っ込みも早い。
これをギリギリスカる距離で(リュウがしゃがんでいたら届くぐらいの距離で)牽制として使うケースを見てみましょう。
ザンギの立ち中キックは足元(下段)の食らい判定を出張させることがなく、よってリュウの足払いは引っかかりません。
腹辺りの高さに出がかりの食らい判定出張があって、この距離でもリュウの立ち中パンチとしゃがみ中パンチが殴ります。ただしザンギの立ち中キックの食らい判定出張は出がかり後期と伸びきりのみで、リュウが一方勝ちするのはリュウの中パンチ伸びきりとザンギの中キック出がかり後期が当たった時。
お互いがランダムタイミングで出し合った場合の勝ち負け比率を見ると、リュウの中パンチの勝ちが7、ザンギの中キックの勝ちが7、相打ちが1、残りが互いにノーダメージという計算になります。
これだけを見ると悪くないですが、しゃがみ中パンチはしゃがんでいるため即座の距離調整権を放棄していて、ザンギが歩きスクリュー狙いだといきなりピンチになります。立ち中パンチは出がかりから引っ込みまで総期間のほとんどを食らい判定出張で過ごすので、ザンギの大足払い(リュウが棒立ちならスカってリュウからの反撃チャンスなのに)を食らって起き攻めを受けます。しゃがみ中パンチもしゃがんでいるため当然食らい判定出張をしているものの、大足払いの出がかりを弾くので、ザンギが積極的に距離を詰めようとしないと読んだらしゃがみ中パンチの方がいいでしょう。
ザンギの立ち中キックとリュウのしゃがみ中パンチではダメージ差もあるので、踏み込み足払いなどを絡めてザンギが技を出すタイミングを絞らないとリュウはやや損な駆け引きになります。
もっといいのはファイヤー波動のぶっ放し。もちろんザンギが波動の構えを待っていたら反応ダブラリをされてしまいますが、ザンギ側はそれをすると他への対応がイマイチになります。
特にこの距離での立ち中キックには出がかり潰しや引っ込み刺しで弾が入りやすく、立ち中キックでの牽制が多いザンギには起き攻めに行くチャンスです。
対してザンギ側のやることは、「もう少し遠距離からリュウが前進をしてきたのを見てすぐ」または「前進を十分に予想して」立ち中キックを出すことです。
歩いてすぐ波動(ファイヤー波動)は撃てないゲームだし、リュウがまともに足払いなどを刺しに行けば先にザンギの中キックを食らうし、ならばと立ち止まり眼前で立ち中キックをスカしたところで再度前進足払いなどが(少なくとも人間には)間に合うとも思えない。
とはいえそうなるとリュウもしゃがみ中パンチでカウンターを取るタイミングを絞れるわけで、ザンギも結局あまりシャカシャカ出来ないはずです。しゃがみ中パンチでザンギの立ち中キックの出張判定を殴れてしかしザンギの大足払いがリュウに届かない(リュウはしゃがんでいるのに)という絶妙間合いもおそらくあるのでは。
(3)リュウからの起き攻め
DザンギやTザンギを相手するのと決定的に違うのは、Xリュウから効果的な起き攻めがあること。すなわち投げ択が存在すること。
実はXザンギとの戦いは転ばせてからが結構楽しいです。
まずはジャンプ小パンチでの飛び込みから見て行きます。
ジャンプ小パンチは多分(あくまで多分です)起き上がりラリアットや「しゃがんで引きつけてラリアット」で返せないと思います。ただし別のページに述べた通り、しゃがんでいるザンギには4割ぐらいの確率でスカります。負けそうなザンギがギャンブルで起き上がりしゃがみFABでも入力していたらちょくちょく捕まるはずです。
以下、分岐。
a. 逃げ竜巻
バックジャンプをしてすぐの空中竜巻をします。
ジャンプ小パンチをガードしたザンギがスクリュー、ラリアット、立ち投げ、バニシング、その他立ち技を出したら空中竜巻を食らってダウンします。
b. 投げ
aの裏として投げます。
c. 生真空
これもaあってこそです。ジャンプ小パンチをガードしてからいきなりラリアットをするケースもあるので。
d. 小昇竜
aとbへの対抗としてザンギはしゃがみ投げを入力しますが、それに対して小昇竜。ジャンプ小パンチ起点(というか密着当て)はここがつまらない。小昇竜はガードされたら少しだけ歩いてのスクリューなど食らいます。
次にジャンプ小キックからのパターン。
ジャンプ小キックをする時は、なるべく先端を低い位置に重ねるようにします。でないと起き上がりラリアットを食らいます。
小パンチに勝る点は、ザンギにしゃがまれても絶対にスカらないところ。
e. 逃げ大キック
バックジャンプをしてすぐの大キック。これはaと同じです。空中竜巻や逃げ大パンチはザンギに届きません。また、大キックをしてもダブラリをしているザンギに届かないかも知れません(とはいえダブラリは次のfやgが封じています)。
f. 下がって中足払いファイヤー波動
起点のジャンプ小キックを先端辺りで低く当てることが出来たなら、歩いて微妙に後退すればザンギのしゃがみ投げの間合いを外せます。かなり先端を最低空辺りで当てた場合はその場でザンギのしゃがみ投げ間合いを外しています。
噛みつきなど立ち投げ(掴み)は間合いが広いので定かでないですが、それはeが封じているのでOK。
また、小昇竜でザンギのガード以外を咎めるのもこの場合はアリです。密着当ての時より遠いので、ガードされても立ち中キックぐらいしか食らわないかも。
g. 投げ
ザンギ戦の当て投げはこの場合に限らずパンチボタンがいいです。
h. 生真空
ゲージがあるならもちろんこれもマルです。
最後にめくりについて。
めくり大キックは、あまり低めに重ねないようにしましょう。起き上がりラリアットに一方負けしてしまいます。
とはいえ、ザンギに対しても低めくり的アプローチは一応可能で、それはリュウにとってもリスキーだけども負けそうな時の逆転策にはなり、この時はめくり大キックを低く当てるのも致し方なし。
低めくり的な飛び込みをして、リュウが正面に降りると思ったら空中で中パンチ。裏に降りると思ったら大キック。どちらもリスキーです。理由は皆さんで考えて下さい。ただ、ザンギ側がこの低めくり的アプローチを見切れないならハイリターンでもあり、最後の一発逆転策になります。
(4)ザンギからの起き攻め
ゲージがあるならボタン離しFABに持っていくのが一番かも知れません。その他を以下に。
まずは安全飛び込み小ヒザから。
i. 地獄突き×2≫スクリュー or しゃがみガード
地獄突きを2発ぐらいにしておくと、その後の小竜巻にダブラリを当てることが出来ます。
次に、安全飛び込み中キックまたは大キックから。
j. 立ち小キック or スクリュー
もしリュウがスクリューを(竜巻ではなく)昇竜で返そうとするなら、安全飛び込みは中や大攻撃で行うのがいいでしょう。大攻撃をガードされたら距離があくので少し歩いて立ち小キック。
一般に小攻撃をガードした後のスクリュー回避昇竜レバー入力にリスクはありません。小攻撃をガードした際のヒットストップ中にレバー前(立ち上がるリスク)を済ませてしまえばよいからで、すなわちザンギが下段を刺してもリュウはガード出来る。
中や大攻撃のガード時はヒットストップ後の硬直が長いため、ヒットストップ中にレバー前を入れると早すぎるきらいがあります。つまりガード硬直が解けた頃には昇竜のボタン受付が終了しているという形になりやすい。なのでリュウはヒットストップを終えてからレバー前を入力することになりやすく、すると立ち上がってしまうためザンギの下段(立ち小キック)が入ります。
竜巻の場合はガード硬直ギリギリまで待ってレバー後ろとすれば下段を食らうリスクを消せます。
安全飛び込み小ヒザからの地獄突きについて。
ハイパーのターボ3などはスピードが早すぎて地獄突きコンコン(どこかで≫スクリュー)に毎回昇竜を入力するのが困難。スパIIXでも結構大変。
安全飛び込みをガードした直後の割り込みは投げを用いて、地獄突き1発の後は小昇竜、2発目の後は竜巻、などと連続入力のパターンを自分で決めておきましょう。
ただ、ザンギが打撃からの択でスクリューをするかしないか、リュウが昇竜や竜巻を出すか出さないか、この勝負を純粋な確率論として見るなら、気が向いたポイントだけ割り込み入力すればよいです。
ザンギからのめくりについて多くは述べません。ザンギはめくれるならめくる。めくりボディを食らわれたら中足払いラリアットでピヨらせる。ガードされたら硬直解除前まで待ってから大足払いなど。
(5)ブンブンザンギ
中距離でダブラリやクイックをやたらと出すザンギには、というかダブラリやクイックには、なるべく前進大足払い。
注意点としてはリュウの一番深い空ガードが挙げられます。15フレームもの間歩けなくなる。するとクイックに前進大足払いが困難になります。
間合い戦での後退は、いつでもレバーちょい入れで我慢すべきでしょう。
ちなみに一番深い空ガードをしてしまったら(レバーを後ろに入れっぱなしの時にクイックを見たら)そのまま前進しようとするより立ち小パンチを空打ちした方が早いです。
(6)大局
クイックラリアットがあるため、大足払い波動が実に虚しい。リュウは近距離での生ファイヤー波動をガードさせて1ドットでもリードし、ザンギに攻めさせてナンボになるかと。
ただしリードされても逆転の目はしっかりあります。大足払い小波動を撃って、クイック(かダブラリかわからない)で避けられたら前ジャンプからの駆け引きをするのもダメージ期待値的にどうかとは思いますが一応アリなので。弾を撃たずに歩いていって足払い、しゃがみ中パンチ、昇竜などを盾に投げを狙うのだってすごく悪くはないです。