X春麗戦のラウンド開始時は、春麗側の提案で大きく2つのモードに分かれると感じます。
1つは、春麗が下がりながら気功拳を撃ち、リュウが応えるもの。
もう1つは、春麗が地上中攻撃などを主体に迫って来る近距離戦。
春麗がゲージを溜めた時点で(春麗自身が遠距離戦の目的をなくすので)普通は後者に落ち着きます。
大まかにリュウのポリシーを述べると、前者に対しては溜め負けないことで、後者に対しては近距離ファイヤー波動を上手く絡めることとなります。
「溜め負けない」はこれ以上述べるまでもなく。以下は後者についての考察です。
(1)ローリスク波動
ローリスク波動とは、立っているリュウに春麗の中足払いがスカる(しゃがんでいるリュウになら届く)距離で撃つ波動拳。ファイヤーならなお良し。
この距離で撃たれると、春麗は先読み前ジャンプを成功させてもリュウを飛び越えてしまいます。
ただしリュウにとってこれは簡単でもなく、波動を入力する直前に春麗がスッと下がって前ジャンプをしたら、モロにピヨり3段またはピヨり寸前3段です。
そのハイリスクを消すために、リュウはジャブ波動を駆使します。
立ち小パンチを打ちながら距離を見て、春麗がローリスク波動の距離に入ったなら連打キャンセル含みの操作で弾を発射。春麗はこちらの反応時間内に後退することが出来ません(空ガードしてしまう)。
もちろん、春麗が中足払いなどをしっかり当てに来ていればこちらは弾など撃てません。そこは読み合いなので注意。ローリスク波動の役割は、出が早く引っ込みも早くリーチもある春麗の牽制技を好きに空打ちさせないというものです。
ジャブ波動には特殊な入力方法が必要です。すなわち、波動レバーを入力したら必ずジャンプ方向まで入れる。
「立ち小パンチ≫連打キャンセル立ち小パンチ≫出がかりキャンセル波動」は出ません。「立ち小パンチ≫連打キャンセルジャンプ≫ジャンプ予備期間キャンセル波動」としなければいけないのです。
(2)撃つことの決定タイミング
立っているリュウの目の前で春麗が中足払いをスカらせ続けて、リュウがランダムタイミングで波動を撃つという実験をすれば、50%の確率でリュウの弾が出るという机上の計算があります(波動レバー入力中のしゃがみを無視した場合)。
かつ、その距離がギリギリの近さなら、弾が出る=ヒットという結論もあります。立っているリュウに春麗の中足払いがギリギリでスカる距離では、しゃがんでいる春麗に弾の1フレーム目が届くようであるからです。
それだけ波動は撃てるという話。
さて。
人間の反応で春麗の中足払いスカを見てから波動入力などしてもガード強要など無理な話で、春麗の多くの行動を許してしまうでしょう。
なので基本的には春麗がローリスク波動間合いに入ったのを見た瞬間に(撃つことを)決定します。あらかじめレバーを完成させておいて、ボタンのみの待ちです。
または春麗からの踏み込みを待たず、波動レバーを入力し少し歩いてから小パンチボタンで波動を撃つのも場合により良し。
結局は春麗が牽制技をスカらせるタイミング次第です。あとは皆さんの考えで。
(3)当てに来る牽制技
春麗が中足払いなど牽制技をちゃんと当てに来るなら、その場で波動は当然撃てません。
春麗が進んで来そうなタイミングで(出来れば数フレーム先に)こちらも前進して足払いをするか、または春麗が進んで来そうなタイミングに合わせて僅かに後退するか、この辺の地上戦押し引きは皆さんで考えて下さい。
参考までに足払いなどのリーチ比較。「ヒザ判定」とは、しゃがんだ際に前に出た食らい判定を指します。
a. リュウ大足払い+春麗ヒザ判定>春麗中足払い
b. リュウ中足払い+春麗ヒザ判定<春麗中足払い(多分)
です。ちなみに春麗は中足払いが最長リーチと考えて差し支えありません。元キック(大足払い)も中足払いと同じリーチ。
遠距離立ち中パンチや大パンチは下段の食らい判定を先に大きく差し出すので、小足払いでさえ対抗出来ます。
(4)春麗の垂直ジャンプ
前ジャンプがローリターンである距離では、春麗は垂直ジャンプを試したりします。
垂直ジャンプ大キックはリーチが長く、その着地にリュウの大足払いを置くことは出来ません。かと言って、春麗の大キックが来る前提でその脚先を弾く狙いの昇竜をするのも小さなギャンブル。
ただ、棒立ちリュウを蹴れない距離で垂直ジャンプをされたならこのジャンケンを拒否する権利はリュウにあって、着地にうまく波動をぶつければ春麗はガードするしかなくなります。
春麗の着地寸前に波動の上体引きポーズ(目一杯引きポーズ)を済ませるタイミングで撃ちます。ここから「上体少し戻しポーズ」と「波動〜拳!ポーズ(弾なし)」の合計3フレームを費やして4フレーム後に弾が当たるのですが、対して春麗側は着地の隙1フレームを考えれば最速で6フレーム後に中足払い完成、空中で踏みつけを出して着地の隙を消しても6フレーム後の完成(注)であり、リュウ側は2フレーム精度の操作で弾を押し付けることに成功します。
着地最速小百裂をした場合も同じ。
春麗が歩き千裂の権利を維持したまま垂直ジャンプをして、着地千裂で反撃をして来るのは一応あり得ます。
大事な注意点。
ジャンケン拒否で波動削りの押し付け権利を持つのは、当り前ではありますが波動を撃っていない時だけです。春麗が垂直ジャンプをした時に波動を撃っていれば蹴られるだけの丸損。よって、波動を撃たずに垂直ジャンプをさせた場合にはなるべく与ダメの大きい(かつ起き攻めに行ける)前ジャンプ中パンチ含みの駆け引きに行きましょう。
(注)X春麗の踏みつけやX本田の垂直ジャンプ大パンチは着地の隙を消す代わりに滞空が1フレーム伸びるという某所の記述を参考にしています。この滞空1フレーム伸びが仮に間違いであっても、リュウは1フレーム精度で勝ち、2フレーム精度で勝ちと相打ち。
垂直ジャンプの駆け引きを受けるなら、いくつかの方法が考えられます。
a. 前ジャンプ中パンチ or 前進ガード
春麗の垂直ジャンプを見たらすぐ前ジャンプ中パンチ。対して春麗側がリュウのジャンプを確認してから打撃を出して潰すというのは無理レベル。前ジャンプ中パンチを予想するならギャンブルで早めの打撃を出すしかありません。前進ガードを選んだリュウは春麗の挙動を見て大足払いを置けるでしょう。ただし春麗の垂直ジャンプ大キックは割と攻撃期間が長いです。前ジャンプ中パンチを選んだリュウ側は決戦ポイントをかなり高くしないと(要は反応良く行かないと)ごまかされるでしょう。
b. バックジャンプ大パンチ
春麗が大キックを出していて、かつリュウの大パンチと攻撃判定の高さが被れば、リュウの勝ち。春麗がそれ以外の選択に出れば両者ダメージなし。
リュウ側のリスクは壁に近付くこと。また、春麗の下降開始をほぼその場で待つ必要があるため、前進して云々の選択との共存が少しだけしにくいかも知れません。
あまり低いところは殴れない点にも注意。
c. 垂直ジャンプ大パンチ
bに似たようなものです。脚の食らい判定を腕無敵が殴ります。
春麗が空ジャンプ着地などを選択した場合、リュウは春麗より一足遅く着地します。この着地の隙はもちろん隙なわけですが、先に着地した春麗にも「歩けない7フレーム」が課されていて、それを済ませてから前進中足払いなどは結構な時間を要するはず。なのでリュウの垂直ジャンプ大パンチは一応アリではなかろうかと考えています。
ただ、バックジャンプ大パンチは春麗の下降中に行えるのに対して、垂直ジャンプは即反応でしないといけません(理由は今述べた通り)。なのでバレやすいという難点はあります。
前ジャンプ中パンチとバックジャンプ大パンチの2択でも効率的です。ただし春麗が頂点で大パンチなんかをした場合に咎められません。
(5)リュウによる起き攻め
リュウからのめくりは2つ。
1つは裏抜け竜巻。注意すべき点は、空中竜巻の入力タイミング。竜巻の後ろ蹴りがジャンプ最低空で出ているようにして下さい。でないと春麗にはしゃがんでスカされます。また、最低空でしか当たらないとすれば、いくらかの確率で(システム上)スカることも懸念されます。となると、そもそもで空中竜巻はしゃがみガード出来る技なので、春麗のしゃがみ得になる恐れがあるということです。
もう1つは大キックめくり。
大まかには低めくりの原理で行きます。春麗の起き上がりモーション中の存在判定は低い。中央判定を合わせつつここに乗っかりそうなイメージのジャンプ。春麗の起き上がり立ち状態で存在判定が高くなりリュウが横にずらされて、食らい投げ不可能の高さに大キックの尻が当たります(結果は確かですが理由の部分は予想です)。
春麗の起き上がりモーション中の存在判定は低いので、他キャラに対するものよりやや遠めから飛び込むイメージで行きましょう。これは振り向き天昇を出させないためです。
正面から飛び込むなら、中パンチまたは大パンチ。これらは起き上がり天昇を食らわない遠目からのジャンプで行います。
中パンチはしゃがんで避けられますが、避けても素晴らしい反撃があるわけでなく、また飛び込みに対してしゃがむのはそもそもリスクなわけで、春麗側もやりづらいところ。
大パンチは安定ですが、この先端をガードさせても距離が開きすぎて大した事ができません。
(6)春麗からの起き攻め
春麗のめくり中キックはオモテガードと考えてOKです。ひょっとしたらウラかも!?と不安になるぐらい横座標を大きく超えて来たら、しゃがんでスカせると思います。
密着で打撃を重ねて来る相手には起き上がり投げをメインで。
正面安全飛び込み中キックなどから投げ択を迫られたら、春麗の投げに集中して確認投げ抜けをするのも手です。以後は地上ラッシュを受ける程度になります。
(7)春麗の地上ラッシュ
主に遠距離立ち中パンチで固めつつ前進をします(中足払いは立ち上がるまでの時間を経ないと歩けないので、固め前進には適さない)。そして立ち中パンチカツカツの中に、もう少し歩いて投げという行動を混ぜて来ます。
立ち中パンチカツカツにリュウが足払いなどを割り込ませようとするなら、それを予測した春麗は早めの中足払いに切り替えたり、千裂をぶっ放します。
リュウはガード硬直解除後の歩き縛りが15フレームもあるので、春麗の立ち中パンチをガードすると距離を作る権利をほぼ奪われます。
春麗にとってのこのラッシュの問題点は、リュウの足払い割り込みを防ぐために打撃の繋ぎを早めると歩きが足りなくなり、ローリスク波動の状況を自ら作ってしまうことでしょう。
千裂を考えなければ、中足払い割り込み(春麗が何もしていなければスカる)と波動で割と何とかなります。
たまには小昇竜を出して必ずしも悪くはないでしょう。春麗の使う固め技や牽制技は判定が特別強いわけではなく、これらを出すことさえ分かっていれば昇竜で勝ちです。ただ百裂は脚無敵なので注意。
(8)千裂 vs 小足払い
千裂(歩き投げと歩き千裂の択など)にリュウが小足払いで対抗する案です。
まず、千裂の画面停止時に小足払いが伸びきり期間だった場合について知っておいて下さい。
この場合、千裂がヒットする前に小足払いは引っ込んでリュウはガード出来ます。
問題は画面停止時にリュウの小足払いが出がかりだった場合。
机上の計算だと、画面停止後に最速連打キャンセルジャンプを入力することで、悪くても空中カスヒットで済みます(空ジャンプの食らい判定に私は詳しくないのですが、もし大パンチ時ぐらいに小さいなら、カスヒットさえないかも知れません。少なくとも飛び際に最速フレームで大パンチを出せば食らい判定の過半が消えるため避けられるのではと期待します)。出がかり後期だったなら空中に逃げます。僅か数回ながら実戦で試した結果、今のところ全て逃げることに成功しています。ちなみに逃げをバックジャンプにすると、最後の百裂を出している春麗の背後に降り立ち先に自由を得ます。
小足払いで対抗を試みるなら、以下のポリシーで行きましょう。
d. 小キックボタンを押したタイミングを憶えておく。
e. 小キックボタンを押したら画面停止が来ることに集中する。
f. 画面停止時には小足払いが出がかりかどうかだけ判断。
g. 出がかりだったなら、dのタイミングの23〜24フレーム後で連打キャンセルジャンプを入力(フレーム数に慣れが必要)。
gについて注意。
画面停止のタイミングを基準とせず、必ず自ら押した最初の小キックボタンタイミングを基準として下さい。これは連打キャンセルジャンプを「画面停止の発生したタイミングによらず」最速にするためです。
画面停止時にリュウが技を出していないグラフィックの場合もgと同じくする必要があるかも知れません。理由を詳しくは述べませんが、私がストIIのミクロのシステムで把握しきれていない部分があって、そのシステム予想の「悪い方」への対策です。